山脇敏子案 「服飾圖案集№2 白糸刺繍の巻」

以前、山脇敏子先生の
「服飾圖案集№3ヒモレースの巻」をご紹介したことがあります。
紐レース (2)
№3ってくらいだから、もちろん№1、№2とあるわけです。
逆から遡って、今回は№2をご紹介しますね。

山脇敏子著 「服飾圖案集№2 白糸刺繍の巻」
白糸刺繍

昭和22年発行です。
このシリーズは、実物大図案集ということで、判が大きいです。
見開きで、ちょうど新聞紙半分の大きさです。
図案の中に、ところどころ、ステッチの指定と、
そのポイントとなる点を注意書きしてあります。
ただ平らに縫うのでは趣がない、とか。
今だと、スカラップと表記されているのがほとんどでしょうが、
スカロップとなっています。
なんだかおいしそうに感じたわたしは、やっぱり食いしん坊ですかね。
そして、もちろんドロンウォークアイレットウォークカットウォーク
ウォーク、そろい踏みです(笑)。

わたしが古書が好きなのは、
前の持ち主の書き込みがあったり、
思わぬものが挟まっていることも理由の一つです。
この図案集にも、いいものが挟まっていました。
前の持ち主さんは、服飾関係の学校に通われていたようです。
学校名入りの型紙が挟まれていました。
実際に使用したのかもしれません。
複写の跡や、鉛筆で薄く書き込みがあります。
どんな作品に仕上げたのでしょう。見てみたいですね。

わたしが更にじぃーんとしたものは
最終ページのポイントに書いてある文章でした。
引用します。
実際の原本では漢字は旧漢字表記となっています。

「白糸刺繍の糸は舶来ものは現在では得られないので
 日本の糸を使用しませう。
 将来輸入できる様になればDMCが一番適当ですが
 それまで代用として白木綿縫糸、或いは白木綿躾糸、
 絹物ならば絹縫糸(和服)極めて細部の刺繍で絹物ならば羽二重糸、
 ローンの様な薄物で極めて細かい模様ならば
 五十番のカタンを使用する事もありますが、
 よりの強いのは美と云う点にかけます。」

そして現在、どうでしょう、わたしたちはDMCの糸を手に入れることができます。
このことがどんなに幸運か。
この図案が出た頃の人たちは、きっと、
是非とも、適当と山脇先生が言われるDMCの糸を欲しいと思っていたでしょう。
ね、なんだかじぃーんとしませんか?
海外のものがある程度容易に手に入る現代、
糸も道具も、もっと大切に使わなければいけないと、改めて思いました。
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