今また沁みる先生の言葉

数年前、先生のご都合が悪くなり、わたしが複数の教室の留守を預かることになりました。
いやいや、無理だよーと、冷や汗たらたらで、
「わたしにできるでしょうか?」と申しましたら、先生はこうおっしゃいました。

「大丈夫よ。私はしっかり教えてあるし、講師資格も持っているじゃないの。
それに、人に教えることで、こちらもまた教わることが多いから、やってみなさい。」

そのときは、地付けから復習して、ノートを作り直したりしたので、
ある程度、慣れてくると、こういうこともしなくなるし、
復習できることは自分にとってもいいことなんだなと、確かに思いました。

そして、今。改めて、先生にいただいた言葉を実感しています。

実は、大阪オフ会に参加される方から、糸ボタンに関するご質問を受けています。
当日はどうしても時間が足りないですから、消化不良にならないために、
現場でお伝えすることはぎゅぎゅっと濃縮しておきたい、そのために準備しておこうと思ったからです。
わたしのつたない説明を、ものすごく熱心に受けてくださって、それをご自身の形にして返してくださいます。
ラリーができるって、楽しいですね。
そのラリーも、ただ同じ球が返ってくるんじゃなくて、色や力を増して返ってくるって、本当にうれしいです。
Ginaさんに褒められた方もいたんですよ!
ついでにわたしも、いい先生ねって褒められちゃった。ふふふ、得しました。


参加者の皆さんにわたしの経験をお伝えすることで、またわたしも学んでいます。
そうして作り方やコツをお伝えする中では、
わたしは自分を先生とは思っていなくて、何年か先に始めた先輩と思っています。
部活動なんて言い方をしているのは、そのせいです。
「正しいやり方」というのはないものですからね。
皆さんが作りたいと思いついたものを、
こうしたら形にできるよ、きれいにできるよっていうアドバイスは
先に始めた先輩としてできるかなと思っています。
「正しいやり方」はなくても、
「美しく、かつ、丈夫に作るための理にかなった方法」はあるからです。

何事においても、長く伝わってきた基本の形には理由があって、
それはしっかり押さえておいたほうが、工夫もできるし、楽しく続けられると、わたしは考えます。
なので、今でも基本の練習はちょこちょこやっています。
材料だけ手に入れて、なんとなく作り方を知って、表面だけ真似てみるより、
こういう利点があるから、ここに針を入れるのか!みたいな理屈が分かると、
ずっときれいなものが作れるようになって、もっと楽しくなるし、もっと知りたくなる。
皆さんにお伝えすることで、慣れでささーっと過ぎてきたところを、
一歩一歩確かめながら、今また歩いています。
何度も通ってきたはずなのに、新しい景色を見ている感じです。
部員の皆さん、ありがとう。
おかげで「やっぱり好きだわ」を感じる日々です。

で、先輩はまた参考ボタンを作ってみています。
明日にでも連絡帳に上げられるかなぁ。
待っていてくださいね。
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