制約の中の自由

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最近、コツコツとやってきてよかったなぁと思うことがしばしば。
といっても、元来ずぼらなので、たゆまぬ努力のコツコツではないのですが
コツ……コツコツ…………コツ………コツ………………って感じです。
休符のほうがうんと多い楽譜のようなものです。
それでいて、やり始めると睡眠を削るほど夢中になり、翌日はすべての作業が休符になるという。へへ。

自由に作っているように見えるかもしれませんが、わたしなりの決まりを設定しています。
基本のボタンを大きく崩さないことです。
これはバテンレースでもそうなのだけれど、
基本的なところを見る影もなくしては、その発祥地、伝承地の方に失礼かもなぁって思うからです。
それに、わたしは、ある程度の枠内で工夫をするということのほうが好きなようです。
真っ白い大きな紙を渡されて、「何でも好きに描いていいよ」と言われると、
かえって萎縮しちゃって、隅っこにこそっとへのへのもへじを書いてしまうかもなぁ。

わたしと一緒にボタンを作ったことのある方は、お気づきだと思います。
とにかく自由に糸を並べているものというのはこれまでに数個しかなくて、
大抵は基本的なボタンをベースにしています。
そのため、できるだけ基本のボタンの練習はしています。

例えば、最近だと「ラベンダーと蝶々のボタン」
蝶とラベンダーのボタン
これはベースが6ポイントラップです。
そこに、スタッポルストボタンの要領で模様を出しています。

もう一つの例だと、「あの子のおうちボタン」。
おうち
これも、やっていることはDeath's head buttonと同じです。
ただ、模様がうまく出るように、糸の上下に工夫をしています。
木の幹も赤い屋根も、これはその部分だけに刺繍しているわけではないんです。
ちゃんとモールドに糸を巻いています。
使用している材料にも、その模様を出すためのわたしなりの理由があるんです。

わたしは愚鈍で、ぱっとひらめいてササッとできてくるわけではなくて、
ルーズなキツツキが、休憩を多く入れながら木をつついてきたら、
数年たって、ようやく木に穴があきましたという感じです。
その重ねた時間を分かってくださる方に出会えることは、幸せなことだなぁとつくづく思います。
以前に、禿げるほど悲しい悔しい思いをしたことがあるだけに、余計に嬉しいです。

金銭面だけで考えると、
作家活動をしているわけでもないのに作り続けて何となるというところもあるのですが、
お金以上のものを手にすることだってあるのねと感じるこの頃です。
販売活動をしていないから、資料としての糸ボタンが手元に増えていくわけだし。
それに、この楽しさは手放したくないぞ。ギュッ。

さて、とりあえずは働こう。糸を買いたいのです。
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